苦しみの歌









苦しみの歌は喜びの歌より上なんだ。








喜びの歌は極楽色した湖のふわふわした湯気から香り立つ、
虚実の匂いに酔っている物臭鳩が歌う歌。
綺麗な言葉で飾られた艶麗な旋律は耳に入れば心地好い。
だけど残像は残らずに、すぐに幻像のように消えていく。
浸かって生まれた怠惰な依存心が育まれ、
常に次の歌を聴きたがる。
飽きているのにやめられない。
それでも鳩を手離せない。








そんな依存心は破門しろ。
苦しみの歌を歌おうぜ。








苦しみの歌は荒れ狂う苦海に棲まう、
生命力に富んでいる荒くれ人魚が歌う歌。
灰緑色の深淵から咆哮のように響いて渡れ。
力強い旋律は心の聖域を呼び覚ます。
神霊達が過激に生命の舞を円舞して、
霊獣達が驀進する。
僕は口から抑圧された、
灼熱の檻に棲まう龍を解き放つ。








あぁ、これが歓喜。
抑え付けられてた想いがカタルシス。








時の間隙に許される不磨の歌。
圧砕された珠玉から研鑽された雄大な拍動が捻出される。








苦しみの歌は喜びの歌より上なんだ。







~ふりがな~

虚実→きょじつ
物臭→ものぐさ
艶麗→えんれい
旋律→せんりつ
幻像→げんぞう
怠惰→たいだ
棲む→す-む
灰緑→はいりょく
深淵→しんえん
咆哮→ほうこう
神霊→しんれい
驀進→ばくしん
灼熱→しゃくねつ
檻→おり
間隙→かんげき
不磨→ふま
圧砕→あっさい
珠玉→しゅぎょく
研鑽→けんさん

~1つの遊び方~







喜びの歌とどちらが好きですか?





HP公開   2019/7/12

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