言葉







言葉は魔術だよ。






初めは声だけだった。
感情と連動した受肉の音叉だった。
良過ぎる目が知覚以上の記憶を繰り出して、
内在化した心象を紡ぎ出す。
他者のそれへと直結した接触を希求して、
宙から形が浮き上がる。

ー おぉ、名付けよう。
ー 世界の名前を調音しよう。

言葉はそこに無いものを存在させる。






言葉の魔力は絶大で、
何もかも捕らえる投網になるけれど、
括る時に見落とした綴りは零れ流れて的外れ。
発声するのは簡単で、
だけど共有世界は届かない。
通じ合わなくなった世界の呪縛に繋留されて、
痛いね、みんな。
言葉は理解し合うという、
その基準から生まれた意味を覚えていられず、言葉に領域を奪われた感情の身体機能へ、
歪みがあちこち表出してる。






言葉の意味は自閉的空間でしか見つからない。なのに、
易しい認識で定義した空洞化の符号の触れ込みが、
一見した真理の側面に雷同するのを付和している。
取り違えた順序で盲目的な回路に組み換える。
言葉はそこに在るものも見えなくしてしまう。






言葉が無くても、この想いは幻想じゃない。
意味を外へと問いかけ過ぎては分からない。
幾多の経験を繰り返し、
情緒に忠実な直感を馴染ませる。
追い詰められた苦しみは昇華する。
自問の過程は苦渋の滾りを覚えるけれど、
畜蔵された豊潤な世界は言葉を自由に解放し、届き出す。






言葉はあなたを創造していく。
皆で世界を構築していく。





~ふりがな~

音叉→おんさ
投網→とあみ
括る→くく-る
綴り→つづ-り
零れ→こぼ-れ
繋留→けいりゅう
滾り→たぎ-り 

~1つの遊び方~







『昇華』を同じ音で書き換えてみましょう。





HP公開   2019/4/1

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